
ここでご紹介するのは前回の鶴岡八幡宮と同じく神奈川県鎌倉市にある観光スポット「銭洗弁財天 宇賀福神社」です。金運アップにうってつけのパワースポットです。JR横須賀線・JR湘南新宿ラインの鎌倉駅から徒歩25分程度の場所にあります。
鎌倉駅からそこそこ離れており、鶴岡八幡宮からも歩いて30分弱かかります。社務所は16時30分に終了してしまうので、午後から鎌倉観光をする場合、鶴岡八幡宮の後に銭洗弁財天に行く予定を立てると意外に時間が無いので要注意です。
駅ちかではないですが、「銭を水で洗う」という他の神社ではなかなか得難い経験をすることができるので、余裕があったらぜひとも訪れたいスポットです。
1分でわかる銭洗弁財天の由来と歴史
銭洗弁財天 宇賀福神社の祭神は日本神話に登場する女神「市杵島姫命(イチキシマヒメ)」と、福徳や財宝を授ける女神「弁財天」です。弁財天は七福神の1つでもあります。
源頼朝は平家を討伐して治承7年(1183年)に鎌倉幕府を樹立しましたが、長引いた戦乱のせいで国民の暮らしは困窮していました。頼朝はこれを憂い、神仏の加護を求めて日夜祈りをささげたそうです。
すると、巳の年の文治元年(1185年)、巳の月、巳の日、夢の中で一人の老人が頼朝の前に現れ、こう告げたそうです。
「ここから北西の方向に仙境があり、きれいな泉が岩の間から湧き出しています。そこは清浄な地で福の神が住んでいて、その水を使っています。この水こそは真の神の霊水なのです。この水を絶えず使って、神仏をまつれば、人々は自然に信仰心を起こし、悪鬼や邪気も退散して、国内はすぐに平穏に治まります。私こそは隠里(かくれさと)の主である宇賀神です。」
目を覚ました頼朝はお告げの通りにその場所に行ってみると、なんと湧き水が沸いていました。そこに岩窟を堀り、宇賀福神を祀り、その湧き水で神仏の供養を続けたところ、人々は富栄えるようになったそうです。
その後、正嘉元年(1257年)の巳の年の仲秋に、頼朝の信心を受け継いだ時の執権北条時頼は「辛巳(かのとみ)」「なる」「かねの日」がすべての人々に福徳が授けられる日だと調べ、この日に参拝することを勧めたそうです。
そして時頼は参拝時には持っている金銭をこの水で洗い清めると同時に、心身を清めて行いを慎めば不浄なものが消え、金銭は清浄の福銭になるといい、率先して金銭を水で清めて一家繁昌と子孫長久を祈りました。
ちなみに宇賀福神とは蛇の体と人の頭をもつ水の神様です。現在は弁財天と神仏習合されて同一視されています。
現在ではこの湧き水は鎌倉五名水の一つとして知られており、この水でお金を洗って使うと何倍にもなって返ってくると言われています。
銭洗弁財天 宇賀福神社の境内
住宅街を通り抜け、舗装された坂道を北に向かって歩いて行くと、ぽっかりとあいたトンネルと鳥居が姿を現します。これが「銭洗弁財天 宇賀福神社」の入り口です。

このトンネルをくぐると神社の境内に辿り着きます。

敷地の外から境内の様子が見えないうえに、まわりをぐるりと崖に囲まれているせいか、なんとなく人里離れた秘境の村というか、隠れ家的な雰囲気があります。

境内には「本社」や「奥宮」の他に「七福神社」「上之水神宮」「下之水神宮」といった境内社や「一条の滝」などがあります。


手水舎もありますが、新型コロナウィルスの感染防止のため使用はできないようです。

本社と奥宮の付近には小さめの鳥居が設置してあります。

その鳥居の奥にある石段を登ると「gula」という古民家カフェがあります。チーズケーキやアップルパイ、パンプキンムースなんかを食べながら休憩できるようです。

参拝方法とお金の洗い方
お参りの手順としては、まず社務所で線香、ロウソク、ざるがセットになったお参りセットのようなものを購入します。

市杵島姫命を祀る本宮の付近には線香をあげる大きな香炉と燭台があるので、まずは本宮へお参りすると同時に線香を香炉にくべてその煙で身を清めます。
燭台には点火用の大きなロウソクが立ててあるので、それでお参りセットのロウソクに火をつけて献灯します。

本宮の参拝が終わったら、隣にある奥宮に行きます。奥宮は洞窟になっていて、洞内には宇賀神と弁財天が祀られています。

そして霊水はこの洞窟内に湧き出ており、この水でお金を洗います。洗うといっても特別な洗い方や作法があるわけではありません。霊水をすくう柄杓が置いてあるので、社務所で購入したザルに小銭とお札を入れ、上から柄杓で水をかけます。

「お札を濡らす」というのはなんとなく抵抗がありますが、同じ時間帯に参拝していた人のほとんどがお札も一緒に洗っていました。もちろん小銭だけ洗っても何の問題もありません。

お札はしっかりとした紙でできているので、水をかけても溶けて無くなったり、すぐに破けて使えなくなることはありません。乾かせば問題なく使えます。
洗ったお金は持参したタオルやハンカチなどで拭いて乾かし、使用したザルは設置してあるカゴに返却します。

清めたお金は福銭となりますが、これは使う派ととっておく派に分かれるようです。ただ、御利益を得るためには使ったほうがいいようです。
大切な人にプレゼントを買うも良し、自分のスキルアップのために使うも良し。日本酒やワインなど好きなお酒を買うというのも、おしゃれで小粋な使い方かもしれませんね。いずれにしても、自分にとって有意義な使い方をするのが正しいようです。
ちなみに、この銭洗弁財天の湧き水は鎌倉五名水の一つとされていますが、他の4つは「梶原太刀洗水」、「金龍水」、「日蓮乞水」、「不老水」でいずれも鎌倉周辺にあります。
海に近い鎌倉は良い水に恵まれなかったということもあり、この五か所の水は江戸時代から五名水として重宝されてきました。ただ、今回行った銭洗弁財天の湧き水は飲料用ではないので、飲むことはできないようです。
「金龍水」と「不老水」は鎌倉にある建長寺の境内にあるとされていますが詳細な場所は不明です。「梶原太刀洗水」は鎌倉と金沢(六浦)を結ぶ古道である朝比奈切通の岩肌から湧き出でおり、「日蓮乞水」も横須賀線名越坂踏切り近くにある井戸として残っているので、訪れてみるのもいいかもしれません。
<スポット情報>
名称: 銭洗弁財天宇賀福神社 (ぜにあらいべんざいてんうがふくじんじゃ)
所在地: 神奈川県鎌倉市佐助2-25-16
アクセス:
【電車】
JR横須賀線
JR湘南新宿ライン「JR鎌倉駅」西口から徒歩25分
拝観時間/入館時間:
8時00分から16時30分
問い合わせ先:0467-25-1081
公式サイト(鎌倉観光公式ガイド)
https://www.trip-kamakura.com/place/195.html