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体験イベントも開催!「横浜人形の家」の見どころを紹介

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今回ご紹介するのは、神奈川県横浜市にある「横浜人形の家」です。みなとみらい線「元町・中華街」駅から徒歩で3分くらいの距離にある博物館です。

横浜人形の家は「横浜発・世界の人形ふれあいクルーズ」をコンセプトに、昭和54年3月にオープンしました。10,000点を越す収蔵品の中から、100以上の国と地域の人形が展示されています。

日本の市松人形や世界各国の郷土人形の他、民族衣装、ドールハウス、ぬいぐるみなど、多種多様な展示物があります。展示物はガラス張りの内側に並べられていますが、 館内は撮影OKです。

見覚えのある懐かしい人形もあれば奇抜なデザインの人形もあり、見ているだけでも結構楽しめます。「世界中の人形の触れて楽しむコーナー」や「パペットなどの人形劇を体験できるコーナー」など、体験型の展示もあります。

お正月には人形劇団による人形劇イベントも開催されるようです。劇団による人形劇を生で見ることができる良い機会なので、小さな子供にはおすすめのイベントです。

世界各国の人形が大集合! ワールドフェスティバル(2階)

人形の家は1階から4階まであり、1階はミュージアムショップとカフェがあります。山下公園通りに面したカフェでは、ここでしか味わうことができない最高級のエスプレッソが楽しめるそうです。

2階にはエントランスホールや常設展示室があります。イベントの開催や会議・会合などに使用できる多目的室や、プチ・ギャラリーも2階にあります。

ちなみに、人形の家には元町中華街駅から行くルートの他に、山下公園の東端にあるポーリン橋を渡る行き方もあります。

ポーリン橋を渡ると、2階の入り口であるエントランスホールに着きます。

2階の常設展示室はノスタルジックハーバーとワールドフィステバルに分かれています。

ノスタルジックハーバーでは港町である横浜と人形の関わりの歴史が紹介されていました。

横浜港の開港以来、日本の国際化の拠点として西洋文化が次々と横浜に入ってきましたが、人形もその一つです。明治・大正時代にはハイカラ・モダンの西洋人形が流通し、昭和初期には日米の親善大使として「青い目の人形」が到着したそうです。

ワールドフェスティバルはアジア、ヨーロッパをはじめ世界各国の人形が所狭しと飾られているコーナーです。どれも特徴的な外見をしており、文化の多様性を感じさせられます。これだけたくさんの数の人形を一度に見る機会はあまりないのではないでしょうか。

下の写真はアジアの人形です。ユーラシア大陸のウラル山脈より東側の地域に住む民族の生活や民族衣装を模した人形が多いです。宗教や祭りと深く結びついた人形もあります。中国、韓国、インドなど、ドラマや映画で見たことのある衣装がありますね。

続いて、ヨーロッパの人形です。ヨーロッパは地理的にはウラル山脈より西側の地域です。古代のギリシャ・ローマ文化、ケルト、グルマン、スラヴといった諸民族の文化、キリスト教文化などが複雑に融合した文化を持ちますが、文化的な共通点も多いようです。気候の違いが服装の違いに現れたり、スカートや帽子のバリエーションに違いが表れている様子が見て取れます。

南北アメリカ大陸、オセアニアの人形や、民族人形も展示されています。民族人形は現地で入手しやすい材料を用いて制作されることが多いようです。素朴な味わいが特徴です。

もちろん日本の郷土人形も展示されています。日本という一つの国の中にも、 地域ごとに特色のあるたくさんの人形があることがわかります。

伝統的なこけしも展示されていました。こちらも、一口にこけしといっても色んな種類や大きさがあることがわかりますね。

2階から3階に上がる階段の壁は、 ドールメモリーというコーナーになっており、人形の思い出を振り返るパネルが展示されています。社会現象にもなった有名な人形や、懐かしい人形が紹介されています。

下の写真はNHKの幼児向け番組「おかあさんといっしょ」内で放送されていた着ぐるみによる人形劇「にこにこぷん」に登場したキャラクターです。「じゃじゃまる」、「ぴっころ」、「ぽろり」という名前です。

特に30代後半から40代くらいの年代の人にはかなり懐かしいのではないでしょうか。「にこにこぷん」は「おかあさんといっしょ」内の歴代人形劇のなかでは現時点で一番放送期間が長く、人気が高いキャラクターなのだそうです。

コレクションモールと人間国宝の作品が見れる名品コーナー(3階)

3階には常設展示室、企画展示室、イベントブースがあります。常設展示室には西洋の人形と日本の人形が展示された「コレクションモール」、人間国宝平田郷陽の作品が展示されている「名品コーナー」、人形の制作工程が紹介されている「人形師の工房」などのコーナーに分かれています。

下は創作人形の写真です。創作人形とは伝統的技法で作成された人形に対して、作者独自の表現を織り交ぜて作られた人形のことです。

現在、人形は芸術の一つとしての地位を確立していますが、 人形の芸術運動は昭和初期からが盛んになり始めました。昭和11年頃から人形は芸術の一分野として発展し始め、 昭和30年には平田郷陽、堀柳女、鹿児島寿蔵の3人が人形製作者として人間国宝に認定されたそうです。人形の家にはこの人間国宝の作品の一部が展示されています。

下の写真は西洋人形です。日本でもなじみのあるキューピー人形も展示されています。西洋人形は長い歴史を持ちます。かつては呪術、宗教、王侯貴族の儀式などに使用されていましたが、近代に入るとその芸術的価値が認められ、美術館で展示されるようになります。

ドールハウスも展示されています。ドールハウスの歴史も古く、古代エジプト・ギリシア時代にまでさかのぼります。16世紀以降になると子供の玩具としても扱われ始めるようになりました。

1920年代にイギリスの王子ジョージ5世のために大規模なドールハウスが製作されました。その時に定められた大きさの基準が「12分の1」です。この基準は現在のドールハウスにも大きな影響を与えているそうです。

近年は子供だけではなく大人が趣味としてドールハウスを所持しているケースもあるようです。細部にまでこだわったドールハウスを何年もかけて手作りする人もいます。 大人の趣味として耐えうるほど奥が深いものなのかもしれませんね。

人形師の工房(3階)

3階にある人形師の工房では日本の市松人形と欧米のビスクドールの作り方を紹介しています。一つの日本人形ができるまでには長い時間と多くの人々の手が必要です。

原型づくり、下塗り、上塗り、面相描き、着付けといったいくつもの工程に分かれていて、それぞれの工程に専門の職人がいます。まさに匠の技術の結晶です。

欧米のビスクドールも日本人形と同じで、一体の人形を製作するのに多くの手間と時間がかけられています。磁器製の人形であるビスクドールは焼成と彩色を繰り返して製作され、繊細な絵付け、髪の毛のカール、洋服などに時間がかけられます。 なお、 ビスクとは二度焼きという意味です。

世界の子供たちが遊んだ人形たち

3階の企画展示室ではコレクション展「世界の子供たちが遊んだ人形たち」が開催中でした。ここでは展示してある世界中の様々な人形にふれることができます。

下の写真は展示してあった日本の市松人形です。着物や顔のパーツは精巧に作られていますが、触ってみると意外と丈夫に作られています。木でできたこいのぼりの玩具などもあります。スマホやゲームが全盛の今の時代、こういった伝統的な玩具で遊ぶ子供は少なくなってきているのかもしれません。

日本以外の国の人形にも触れることができます。どの人形も、国や地域、民族の特徴を表す服装をしています。人形とファッションは深い関係にあるそうです。人形が着ている服を通して様々な国の歴史や文化を知るきっかけになります。

ぬいぐるみのコーナーもあります。ぬいぐるみは子供の自立を促す役割があるのだそうです。

下の写真は世界的に有名なクマのぬいぐるみ「テディベア」です。 テディベア はドイツのシュタイフという会社が販売し、その後アメリカで大人気となりました。名前のテディは、当時のアメリカ大統領であるルーズベルトのニックネーム「セオドア=テディ」からとられたそうです。

3階にはこれらの他に、人形劇の体験ができるコーナーもありました。人形劇は子供が楽しむものというイメージがありますが、もとはフランスやイタリアの芸人が宮殿や庭園で皇太子を楽しませるために演じていたものです。

役者が演じ、幅広い年齢の人が楽しめるれっきとした演劇の一つであったわけです。現在は保育園や幼稚園で盛んに行われていますが、人形劇を演じることで、イメージを言葉で表現する力、協調性、主体的に考える力などを養うことができるという理由からだそうです。

4階には「あかいくつ劇場」という小劇場があります。この日は開いていませんでしたが、ここでは人形劇のイベントが開催されるほか、講演会やミニコンサートなどで使用されるようです。

ロビーからは横浜港の美しい景色が一望できます。下の写真は山下公園前に係留してある日本郵船氷川丸です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。人形は国や地域の宗教、文化、伝統、ファッション、気候といった様々な要素を表現しています。

キリスト教圏の人形とヒンドゥー教圏の人形とでは見た目が明らかに違いますし、同じ宗教文化であっても地域によって違いがあります。世界各国の人形を見比べると、その違いをイメージとして把握することができるのが面白かったです。

また、ぬいぐるみや人形劇、ドールハウスは子供が遊ぶときに使用されていますが、単純に子供が喜ぶからという理由だけではなく、きちんとした教育的な効果があることもわかりました。

<施設情報>
名称:横浜人形の家
所在地: 神奈川県横浜市中区山下町18番地
TEL: 045-671-9361
開館時間: 9:30~17:00(入館は16:30まで)
 ショップ(10:00~17:00) 
 カフェ(11:00~19:00)
休館日:
 毎週月曜日(月曜日が祝日に当たる場合は翌日が休館日)・年末年始

公式サイト: http://www.doll-museum.jp/

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